この日どうにかして荷物を軽くするためにもってきた薬や食料の一部をすてた。そしてスタート前に持つ水を一日目は1.5Lもっていたが二日目からは500mlだけもって走るようにした。

一日走ってみて100位以内に入るためには極限まで荷物を軽くしないといけないと感じた。100位以内を目指しているランナーはリピーターが多く、経験をいかして、最小限の荷物しか持ってきてない。そういう連中に勝つには少々危険を冒してもそうせざるをえなかった。

これからサハラにはそうこないだろうと思い、ここで100位以内の目指さなかったら日本に帰ってきて絶対に後悔するともった僕には完走という目標はすでに頭になかった。

  夜が明けるとすぐにベルベル人がテントを片付けに来る。サハラの夜明けは6時くらいで日が射すとすぐに暑くなってくる。スタートは毎日だいたい9時、それまでに朝食をとったり、ボーとしたりする。

二日目になると選手の顔に一気に疲労感が出てくる。スタート前は、あんなにはしゃいでいたのに、というやつがもう死にそうな顔をしているのである。自分も例外ではないが、、。

 一人で走るとペースががた落ちするのでペースメーカーを見つけなければいけない。僕は殆どをイタリア人のマルコと一緒に走っていった
  二日間走り終えてテントに戻ってからも戦いは続いていることがわかってきた。走り終わりテントに帰ってくる時間帯から風が猛烈に吹き始めテントの中の荷物を砂まみれにしていく。これは精神的にきつく、この風には、一週間悩まされた。

何とかテントに砂が入ってこないように工夫するのだがなかなかうまくいかない。木の棒と布だけで作った簡易なものなのでチョットいじると上からバサッとテントが落ちてくる。そうなるとテントの周りをうろついているベルベル人を呼んで直して貰う。さすがにうまいと思った。

  みんな何をしに歩いてるのでしょう?。それはうOちをしにいってるのです。テントの周りには必ずといいていいほどブッシュがあるのでそこまで歩いていっている。朝夕、テントの周りではキバッテイルやつらがいっぱいいます。もちろんトイレなんてないですから。僕はトイレットペーパーをもっていたんですがそんなものもってきているのは日本人くらいだといわれました。

砂漠はとても乾燥しているので水をもっていって手で拭くのです。僕も途中からそうしました。トイレットペーパーは意外と荷物になり走りにくかったので。それにしてもテントも真ん前でするのはやめろよ。見えるじゃないか!

二日目の順位は55位、荷物をかなり軽くしたこともありかなり順位が上がった。二日間のトータル順位も75位となり100以内はかなり現実を帯びてきたように思えた。